レーシングタイヤと公道用タイヤは全く別物なんですよ!! ~マネしちゃだめ~

前回、溝の少なくなったタイヤはキケン

だから、早く交換したほうが良いと書きましたが。

 

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「そんなこと言ったって、レーシングカーのタイヤは溝ないじゃん。

雨の日はともかく、晴れていれば性能はいいんじゃないの?」

という人がいるかもしれないので

それは危険であることを書いておきます。

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・レーシングカーのスリックタイヤは公道用タイヤとは別物です。

クルマ用のタイヤはみんな黒くて丸くて、同じに見えますが

実は目的によって中身の構造やゴムの材質などがかなり違います。

 

現在のオンロードレーシングカー用のタイヤはよく知られているように、晴れ用タイヤは溝の無いものがほとんどですが

これは、普通の公道用タイヤがすり減って溝が無くなったのとは全然違います。

 

あくまで、レーシングカーが

 レーシングカーの重さで

 レーシングカーの速度で

 レーシングカーの使用距離で

 サーキットを走る場合に最高の性能が出るように作りこまれた結果、あのようなタイヤになっているのです。

 

細かく見ていくと、同じスリックタイヤ(溝の無いタイヤをこう呼びます)でも

F1、インディカーその他のオープンホイールレーシングカーやGTカー、ツーリングカーでそれぞれ細かい構造や材料は違っているくらいです。

 

・スリックタイヤは表面がベトベトになることでグリップします。

実は大昔のレーシングカータイヤは溝がありました。

それが、表面のゴムの材質を変えて表面の温度が高くなると、ガムテープのようにベトベトするものが開発され

溝がないほうがグリップ(路面にタイヤが食いつく力のこと)が高くなるということがわかり、レーシングカーのタイヤは溝が無くなっていきました。

 

レーシングカーのタイヤの写真でぽつぽつと3つくらい小さな穴が開いているのを見たことがありませんか?

 

これはおそらく、タイヤの温度を測るために温度計を差した跡なんです。

 

僕は20年くらい前、レーシングカーの開発エンジニアをしていたことがあって(といってもF1とか華々しいカテゴリーではないですよ)

普段は現場に行かない立場だったのですが、ある意味研修的に1日メカニックの仕事をしたことがありました。

その仕事が、テストでマシンがサーキットを走り、ピットに戻るたびにタイヤの温度と空気圧を測定して、チーフメカニックにメモを渡すという作業でした。

 

レーシングタイヤは、走行して温度が上がると(これも結構熱くなります)表面が柔らかくなって

ムニュっと直径7~8㎜くらいの温度計の先端を、5~10㎜くらい差し込めてしまいます。

 

タイヤの穴は、その温度計を外側、中央、内側と差し込んで場所ごとの温度を測定した跡で

そうやって、レーシングカーはセッティングしていくし

そのくらい、タイヤの性能を出すことがシビアということなんですね。

 

このベトベトがどれくらい、ベトベトなのかというと

ドラッグレース場のスタート地点で、ドラッグレース用スリックタイヤのゴムが擦り付けられた路面は歩きにくいと感じるくらいベトベトします。

 

そのベトベトがレーシングカーの速さの秘密です。

 

・公道用溝付きタイヤは、溝を使ってグリップや摩耗を最適化しています。

公道用のタイヤで高速道路を走った直後タイヤを触っても、Sタイヤとかでなければそんなにベトベトしていないと思います。

タイヤのゴムが根本的に違うんですね。

 

温度をシビアに管理して、最高の性能のセッティングで走らせるレーシングカーと違い

路面性状や温度、速度などがそのときそのときで大きく変わる公道では、あらゆる場面でそこそこの性能を安定して出せることが要求されます。

 

雨が降ったからといって、その場でタイヤを替えるわけにもいきませんしね。

 

だから、公道用タイヤはまず溝があることが前提で

逆に、溝があることによるタイヤの変形を利用して、グリップや摩耗性能を最適にコントロールしているのです。

だから、溝が無くなった場合

タイヤの設計性能が出せなくなってしまうんですね。

 

ちなみにレース用スリックタイヤは溝が無いことを利用して、タイヤの温度を逃がさず

ベトベトする温度に安定させているんです。

 

また、公道用タイヤは溝があることが前提で設計されていますから、溝が無くなるとタイヤのゴム部分が薄くなってしまうことになるので、ゴム部分つまり皮が破けやすい状態になってしまいます。

 

グリップ性能だけではなく、耐久性の面でも

溝が無くなるまですり減ったタイヤは性能が落ちていると言えるのです。

 

・まとめ

公道用タイヤとレース用スリックタイヤは同じタイヤといっても

全く違うものと言っても良いくらいのものです。

 

タイヤが摩耗して溝が無くなってしまったら

初期の性能は出ていませんから、「雨降っていないから大丈夫」というわけではありません。

 

タイヤが摩耗したら早めに交換しましょうね。

 

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